クリプトデイリー 2026-09-01
メルカリでソラナ(SOL)取扱開始/金融庁が過去最大403億円を要求・暗号資産モニタリング室を新設へ/Tectonicで約7500万ドル流出の推計・Cronosが停止。今日の3本です。
今日は「入口が増える話」「見張る側が増える話」「チェーンが止まった話」の3本です。
買える場所と、それを監督する体制と、壊れたときに何が起きるか。順番に並べると、いま国内外で何が動いているのかが見えやすいと思います。
1. メルカリでソラナ(SOL)の取扱開始、計16銘柄に
メルカリの子会社メルコインが8月31日、メルカリの暗号資産取引サービスでソラナ(SOL)の取扱を開始したと発表しました。
SOLの追加により取扱は計16銘柄となり、うちコインチェック連携分は13銘柄です。
メルコインがコインチェックを相手方として取引する仕組みで、コインチェックの「Coincheck CaaS(Crypto as a Service)」を利用しています。
1円からSOLを取引でき、18歳未満・75歳以上・日本国外の居住者は利用対象外、すでにコインチェック口座を持っている人は同連携口座を申し込めないと明記されています。
9月1日12:00から9月14日12:00までのキャンペーンでは、初回購入者に200円分のメルカリポイントが付与されます。
出典: あたらしい経済
ひとこと(Jura) — 銘柄が増えたことより、「すでにコインチェック口座がある人は連携口座を申し込めない」という条件のほうが実務的には効いてくると思います。
アプリ内の口座と取引所の口座が同じ会社の裏側でつながっている以上、あとから片方を作り足す形にはならない、ということですね。
どちらの入口から入るかは最初に決めることになるので、そこは知っておいたほうがいいところです。
2. 金融庁、2027年度予算に過去最大403億円を要求。暗号資産モニタリング体制を強化へ
金融庁が8月31日、令和9(2027)年度の予算・機構定員要求を公表しました。
総額は前年度比134億円増の403億円で、内訳は人件費200億円、物件費155億円、デジタル庁一括計上分48億円です。
定員は合計32人の増員要求に対し削減が18人で、純増は14人。うち13人が「新たな金融サービスに対応するための体制強化」に配分されます。
組織面では、暗号資産取引業者に対するモニタリング体制の強化を目的とした室の設置、フロンティアAI等の新たな技術進展に伴うリスクへの対応を担う企画官の設置、デジタル技術を活用した決済の高度化推進のための室設置が要求されています。
出典: CoinPost
ひとこと(Jura) — 金額よりも「室を置く」という部分が構造の話だと思います。
担当者を増やすのではなく常設の単位を作るというのは、暗号資産の監督が臨時の対応から通常業務の側に移っていくということですね。
利用者から見れば、業者に対する検査や報告の求められ方がこれから厚くなっていく方向、と読んでおくのが素直なところだと思います。
3. レンディングプロトコルTectonicで約7500万ドル流出の推計、Cronosがブロック生成を停止
Crypto.com系ブロックチェーンのCronos(CRO)が8月30日、レンディングプロトコルTectonicで発生した不正流出を受けて、ネットワークのブロック生成を停止しました。
研究者のウェイリン・リー氏は被害を約7500万ドルと推定しています(当初推定は約6600万ドル、別の攻撃者関連アドレスで約800万ドルを確認して引き上げ)。
手口としては、ガバナンストークンTONICの価格を約20分間で100倍に吊り上げ、担保係数がTONICについて20%に設定されているもとで、約364.6兆TONICの担保価値を約3億7500万ドル相当と見せかけたことが指摘されています。
確定額や原因についてTectonicはまだ公表していません。
Crypto.comのCEOは自社のアプリと取引所は影響を受けていないと説明し、同社のセキュリティチームがCronosの調査を支援しているとしています。
攻撃者がイーサリアムへブリッジできた資金は約600万ドルにとどまり、Cronosの停止措置により大部分の資産がチェーン上に留まったと報じられています。
出典: CoinPost
ひとこと(Jura) — 押さえておきたいのは、担保の「価値」が価格から計算される以上、価格そのものを動かせるトークンは担保として弱い、という構造ですね。
流動性の薄いトークンほど、この計算は壊れやすくなります。
もうひとつ、チェーンを止めるという判断で持ち出しが約600万ドルに抑えられた点も、分散を掲げるネットワークの現実的な運用として記録しておく価値があると思います。