クリプトデイリー 2026-08-28
コインチェックが電子決済手段等取引業に登録/令和8年警察白書でサイバー犯罪検挙が過去最多/大阪府がJPYC・USDC決済の実証に補助金。今日の3本です。
今日は「制度」「犯罪統計」「実証」の3本です。
ステーブルコインを扱うための登録が国内で2社目に増えた話と、その裏側で暗号資産がどう悪用されているかの公式統計が同じ週に並びました。
1. コインチェック、電子決済手段等取引業の登録を完了 国内2社目
コインチェック株式会社は2026年8月27日、資金決済法に基づく「電子決済手段等取引業者」の登録を完了したと発表しました。
登録番号は「関東財務局長第00002号」で、国内では2社目です。
この登録により、法定通貨と連動する価格安定型デジタル資産であるステーブルコインの取扱いが可能になります。
暗号資産交換業とは法的な位置付けが異なる別枠のライセンスです。
同社は米サークル社との提携を経て、ステーブルコインおよびオンチェーン金融領域での事業展開を順次開始する方針を示しています。
国内1社目の第00001号はSBI VCトレード株式会社で、令和7年3月4日に登録され、USDCやRLUSDなどの取扱いを届け出ています。
出典: CoinPost
ひとこと(Jura) — 初心者の方が混同しやすいところなので整理しておくと、いつも使っている「暗号資産交換業」の登録と、このステーブルコインを扱うための登録は別物です。
つまり同じ取引所でも、扱える資産の種類はどのライセンスを持っているかで決まる。
国内でステーブルコインが増えていくなら、この2枚目の登録があるかどうかは今後わりと見る機会が増えると思いますね。
2. 令和8年警察白書、サイバー犯罪検挙件数が過去最多の1万5108件
警察庁は8月25日、令和8年警察白書を公表しました。
2025年のサイバー犯罪検挙件数は前年比14.8%増の1万5108件で過去最多となっています。
インターネットバンキングの不正送金被害額は約103億9700万円と過去最高を更新、マネー・ローンダリング事犯の検挙件数も1792件(同39.7%増)へ増加しました。
暗号資産の悪用については、不正アクセスやフィッシングで得た資金を暗号資産アカウントへ送金し、匿名性暗号資産「モネロ(XMR)」へ換金する、ミキシング技術で追跡を困難にする、無登録仲介業者「相対屋」を経由させる、といった手口が報告されています。
北朝鮮グループ「TraderTraitor」による国内交換業者からの約482億円相当の窃取事案についても成果が掲載されました。
出典: CoinDesk Japan
ひとこと(Jura) — 白書に並んでいる手口を見ると、入口はフィッシングや不正アクセスで、暗号資産はその後の「動かす段階」で使われているという構図がはっきりしています。
だとすると初心者が最初に固めるべきは取引所の中の設定ではなくて、ログイン情報を抜かれない側なんですよね。
二段階認証と、公式アプリ・公式ブックマーク以外からログインしないこと。地味ですが、統計はそこを指しています。
3. 大阪府、JPYC・USDC決済など4事業に補助金交付を決定
大阪府は8月26日、「令和8年度大阪府先駆的金融市場等形成支援事業補助金」の交付対象4事業を決定しました。
応募12件のうち採択は4件で、交付決定額は総額2,889万円です。
うち3件がJPYC・USDCを活用した決済実証で、マイナウォレット株式会社は三井住友カードと共同で、マイナンバーカードを活用したJPYC・USDC決済を決済端末「stera terminal」上で実証します(2026年10月〜2027年2月、764万円)。
株式会社HashPortは日本円清算の仕組みを構築し、ECサイト等で使うエスクロー型決済にも対応する二動線の決済APIを実装します(2027年1月〜3月、1,000万円)。
Mi&T株式会社は大阪公立大学周辺5店舗程度でJPYCの実店舗決済を実証します(2026年11月中旬〜2027年3月中旬、125万円)。
残る1件のSBI XDC Network APAC株式会社は、中古自動車部品輸出業者を対象に、vLEIを使ったKYBスキームと輸出ファクタリングのオンチェーン化を組み合わせる事業です(2027年1月〜3月、1,000万円)。
出典: CoinPost
ひとこと(Jura) — 面白いのは、3件とも既存の決済インフラの上に乗せにいっていることですね。
専用のアプリや専用の端末を新しく配るのではなく、stera terminalや既存のECの決済フローに差し込む形になっている。
ステーブルコイン決済が普及するとしたら、利用者側が「これは暗号資産だ」と意識しないまま使う経路からだろう、という設計思想が見えます。