クリプトデイリー 2026-08-23
ビットコインが一時7万9000ドルを突破、背景にイラン制裁の観測/The SandboxのSANDが不正発行、韓国大手2社が入出金停止など対応/物流のAZ-COM丸和が協力会社への支払いにJPYCを導入へ。今日の3本です。
今日は「相場の節目」「トークンのトラブル」「日本での実際の使いみち」の3本です。
3本目は、ステーブルコインが投資の話ではなく支払いの話として出てきた例になります。
1. ビットコイン、一時7万9000ドルを突破 — 背景にイラン制裁の観測
ビットコイン(BTC)が8月22日、一時7万9000ドルを突破しました。
円建てでも過去24時間で約100万円幅の上昇です。
背景としては、トランプ米大統領がイランへの大規模な経済制裁を発表する意向を示したことで地政学リスクが意識され、国家や既存の金融システムから距離を置ける資産として資金が流入したと報じられています。
あわせて、米国で暗号資産をめぐる規制・政策面の前進が続いて報じられていることも、市場心理を下支えしているとされます。
出典: CoinPost
ひとこと(Jura) — 「制裁の観測で逃避買い」という説明は、あくまで報じられている解釈のひとつとして受け取っておきたいところです。
ここで確認する価値があるのは値段ではなく、自分の口座の二段階認証と出金先アドレスの登録が今も正しいか、くらいだとぼくは思っています。
相場が動く日ほど、取引所の混雑やフィッシングの誘い文句も増えますから。
2. The SandboxのSANDが不正発行 — 韓国大手2社が入出金停止などの対応
メタバースプロジェクトThe Sandboxのトークン「SAND」で、8月22日に不正発行が報じられました。
原因はイーサリアムのレイヤー2「Base」上のSANDトークンに関わる不具合とされ、CoinPostは5億SAND超(供給上限30億SANDに対して約17%に相当)、CoinDesk Japanは約149億SAND(BaseとBNB Smart Chainの2チェーン合計で、上限の約5倍)と、報道によって規模の見方が分かれています。
運営は関連するクロスチェーン機能を一時停止。
韓国の大手取引所では、アップビットが注意喚起、ビッサムが入出金の一時停止を実施しました。
不正発行分がそのまま流通可能なのか、実際の流通量にどう影響するのかは、現時点では明らかになっていません。
出典: CoinPost / CoinDesk Japan
ひとこと(Jura) — 同じ事件で数字が5億と149億に割れている、という状態そのものが今日の要点です。
発生直後は集計の対象チェーンも確定していないので、初報の数字を握りしめないほうがいい。
もうひとつ覚えておきたいのは、トークン自体が無事でも「橋(ブリッジ)」が壊れると影響が出るという構造で、複数チェーンに同じ名前のトークンがある場合は自分がどのチェーンで持っているかを把握しておく必要があります。
3. 物流のAZ-COM丸和、協力会社への支払いにJPYCを導入へ
物流大手のAZ-COM丸和ホールディングスが、協力会社への支払いに円建てステーブルコイン「JPYC」を導入します。
対象は約2300社で、開始は年内、首都圏から小規模に始める見通しです。同社はJPYCへ10億円を投資しています。
現在の支払いサイクルは月末締め翌月20日払いで、これをさらに速めたい狙い。
背景として、振込手数料が1口座あたり平均160円ほど、地方の信用金庫では800円かかる場合もあることが障壁として挙げられています。
支払いが速くなればドライバーへの賃金支払いも早まり人材確保につながること、海外出身ドライバーの母国送金にかかる高い手数料への対応も理由として語られています。
出典: CoinDesk Japan
ひとこと(Jura) — 語られている動機が「値上がり」ではなく「振込手数料160円」なのが、この話のいちばん面白いところですね。
1社2300件の支払いが毎月あるなら、手数料も締め日までの待ち時間も、そのまま経営の重さになる。
ステーブルコインを理解するときは、投資対象としてではなく、こういう「振込の代わり」として見たほうが輪郭がはっきりします。